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「屋根が浮いていますよ」と訪問されたら。写真診断56件のうち49件は、家の中に症状が出ていた

公開 11分で読めます

著者:株式会社ドローン工務店

台風や長雨が過ぎた週に、作業着の人がインターホンを鳴らします。「近くで工事をしていて、お宅の屋根の板金が浮いているのが見えました。このままだと次の雨で漏れますよ。今なら無料で見ます」。屋根の上は自分では見えないので、言われると不安になります。

先に結論を書きます。天井にも押し入れにも軒天にも変化がない家は、その場で決める理由がありません。雨を2回待って、そのあいだに自分で3か所を見てください。 当社の写真AI診断で被害の場所が記録された56件のうち、49件は天井や室内の壁に症状が出ていました。5件は軒天の黒ずみや外壁のひび割れで、地上から見える場所です。残る2件は、雨漏りの跡が確認できないという判定でした。雨漏りで困って写真を送ってきた人は、屋根に上らなくても見える症状を持っていました。

訪問営業の「屋根が危ない」は、どのくらい相談が出ているのですか?

結論: 国民生活センターの集計では、点検商法の相談は2023年度12,550件、2024年度19,249件、2025年度19,696件です。2026年度も5月末時点で2,193件と、前年同期(2,012件)を上回っています。

点検商法は、点検に来たと言って訪問し、「工事をしないと危険」と不安をあおって契約させる手口です。国民生活センターが2026年5月31日現在でまとめた件数は次のとおりです。

年度 点検商法の相談 訪問販売によるリフォーム工事の相談
2023年度 12,550件 11,879件
2024年度 19,249件 9,839件
2025年度 19,696件 5,544件
2026年度(5月31日まで) 2,193件(前年同期2,012件) 602件(前年同期680件)

点検商法の数字には、分電盤や給湯器、太陽光発電の点検をうたうものも含まれます。屋根に絞った数字は、同センターが2023年10月11日に出した注意喚起にあります。屋根工事の点検商法の相談は2018年度の923件から2022年度の2,885件へ約3倍に増え、点検商法全体の35.4%を占めていました。契約した人の8割超は60歳以上です。

同じページに載っている最近の相談は、こういう内容です。「突然来訪した業者に屋根がずれているので無料点検すると言われ、瓦がずれている画像を見せられて契約した。他社から高額と指摘された」「屋根が浮き上がっているのが見えた、今日なら割り引くと言われて契約したが不審だ」。2023年の発表には「ドローンで撮影したという写真を見せられ契約したが解約したい」という事例も入っています。

本当に雨漏りしている家は、どこに症状が出ていますか?

結論: 当社の写真診断で被害の場所が記録された56件のうち、49件は天井・天井裏・室内の壁に症状がありました。外側だけだった5件も、4件は軒天、1件は外壁で、地上から見上げれば分かる場所です。残り2件は、雨漏りの跡が確認できないという判定でした。

当社の写真AI診断は、利用者が撮った写真から被害の場所と危険度を出します。2026年1月28日から6月10日に完了した65件(9月7日に行った動作確認2件は除外)のうち、被害の場所が記録されている56件を、症状が出ている側で分けました。

症状が出ていた場所 件数
家の内側(天井・天井裏・室内の壁)を含む 49件
外側だけ(軒天と雨樋まわり4件・外壁のひび割れと錆汁1件) 5件
雨漏りの跡が確認できない(危険度0と3) 2件

跡が確認できない2件のうち1件は、仕上げ材を撤去した室内の壁の写真で、所見は「典型的な雨漏り痕は写真からは確認できません」でした。外側だけの5件も、所見は「軒天の木部が黒く変色し、一部は崩れている」「外壁にひび割れと錆汁」といったもので、はしごをかけなくても見える症状です。危険度は10段階で7か8でした。

この集計には偏りがあります。写真診断は、何かに気づいた人が写真を撮って送るものなので、症状が見える家が多くなるのは当然です。「室内に症状がなければ屋根は傷んでいない」とは言えません。言えるのはここまでです。症状が確認できた54件は、すべて自分の目で見える場所に変化を持っていた。だから、訪問された日にまず見るのは屋根の上ではなく、自分で見られる場所です。

なぜ「雨を2回待つ」のですか?

結論: 屋根材が少し浮いていても、その下の防水シートが生きていれば、すぐには漏れません。1回の雨で室内に変化がなければ、次の雨まで待つ余裕があります。2回待つあいだに、別の会社に見てもらう時間が取れます。

屋根は瓦や板金の下に防水シート(ルーフィング)が敷いてあり、二重で水を止めています。板金の浮きや瓦のずれは直したほうがいい不具合ですが、「今日契約しないと次の雨で漏れる」という状態であることはまれです。

待つあいだに見る場所は3つです。

  1. 最上階の天井と、壁との境目。 しみの輪郭、クロスの浮き、照明器具のまわり。懐中電灯を斜めから当てると凹凸が見えます。
  2. 押し入れ・クローゼットの天井と奥の壁。 普段見ないので、しみがあっても気づいていないことがあります。カビのにおいも手がかりです。
  3. 軒天(屋根の裏側の、外から見上げる面)。 黒ずみ、塗装の剥がれ、板の波打ち。当社の診断でも、56件中26件に軒天が出てきます。

雨の日と翌日にこの3か所を見て、日付入りで写真を撮っておきます。2回の雨で変化がなければ、緊急ではありません。変化があれば、その写真が業者に見せる材料になります。大雨の直後の見方は大雨のあと、家の中で見ておく3か所に詳しく書きました。

逆に、待たないほうがいい場合もあります。天井から水が垂れている、天井のボードがたわんでいる、瓦や板金が落ちてきた、地上から見て板金がめくれているのが分かる。このときは訪問してきた業者ではなく、自分で探した会社か、家を建てた会社に連絡してください。

その場では、何と言って断ればいいですか?

結論: 「屋根には上がらないでください。必要なら自分で頼んだ会社に見てもらいます」で足ります。理由は説明しなくてかまいません。

国民生活センターは、突然訪問してきた業者には安易に点検させないよう呼びかけています。屋根に上げてしまうと、見せられた写真が本当に自分の家のものか、上がる前からそうだったのかを確かめる方法がなくなります。

訪問時に確認しておくと役に立つのは、次の3点です。

  • 会社名・所在地・担当者名を書いた名刺をもらう。 出せない会社とは話を進めません。
  • 「近所で工事をしている」なら、どの家かを聞く。 国民生活センターの事例には、近所の工事がうそだったものがあります。
  • 「火災保険で無料になる」と言われたら、そこで打ち切る。 保険が使えるかどうかを決めるのは保険会社で、業者ではありません。同センターも、保険金を利用できるというトークに気をつけるよう書いています。保険の考え方は火災保険が使える雨漏り、使えない雨漏りにまとめました。

写真を見せられた場合は、家の全景から問題の場所まで、続けて撮った写真があるかを見てください。寄りの1枚だけでは、どこの屋根かは分かりません。当社もドローンで屋根を撮りますが、ドローンの写真だから正しいということはありません。誰の家を、いつ撮ったかが分かる写真かどうかです。

もう契約してしまった場合は、どうすればいいですか?

結論: 訪問販売の契約は、法律で決められた書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、クーリング・オフができるとされています(特定商取引法第9条)。工事が始まっていても対象になるとされているので、まず消費者ホットライン188に電話してください。

消費者庁の特定商取引法ガイドによると、クーリング・オフは書面のほか電磁的記録(メールなど)でも通知できるとされています。事業者がうそを言ったり脅したりしてクーリング・オフを妨げた場合は、8日を過ぎていてもできるとされています。クーリング・オフの記載がない書面を渡すことは同法違反とされ、沖縄県警がこの容疑で屋根修理の訪問営業をしていた男を逮捕した例もあります(沖縄タイムス 2024年12月1日付)。

手順は次のとおりです。

  1. 契約書と受け取った書面をすべて手元に集め、受け取った日を確認する。
  2. 消費者ホットライン188(最寄りの消費生活センターにつながります)に電話し、通知の書き方を聞く。
  3. はがきかメールで通知し、控えを残す。はがきは両面をコピーして、特定記録郵便か簡易書留で出す。
  4. 工事の内容や金額の相談は、住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)でも受け付けています。

高齢の親が契約してしまった場合、家族から消費生活センターに相談することもできます。

当社は、足場を組まずにドローンとロープアクセスで屋根と外壁を確認する現地点検を行っています(点検の内容料金)。費用は税込55,000円で、そのまま工事を依頼される場合は工事代金から差し引きます。訪問営業で言われた内容が本当かどうかを確かめたい、という依頼でもかまいません。修理費用の目安は、見積チェックAIの雨漏り修理の相場ページで確認できます。点検の実例はドローン工務店のサイトに載せています。

よくある質問

Q. 無料点検だけなら、受けてもいいですか?

突然訪問してきた業者の点検は、受けないことをおすすめします。国民生活センターが紹介している相談事例には、訪問時の点検をきっかけに契約へ進んだものが並んでいます。点検してほしいなら、自分で会社を探して、日を改めて頼んでください。費用がかかる点検でも、誰が何を見たかが書面で残るほうが、あとで比べる材料になります。

Q. 本当に屋根が傷んでいたら、待っているあいだに悪化しませんか?

板金の浮きや瓦のずれが、数週間で室内の雨漏りまで進むことは多くありません。屋根材の下に防水シートがあるためです。待つのは雨2回分、長くても1か月ほどです。そのあいだに室内と軒天を見て、別の会社に見てもらう予約を入れれば、放置にはなりません。天井から水が垂れているなど、すでに症状がある場合は待たずに連絡してください。

Q. 見せられた写真が自分の家のものか、確かめる方法はありますか?

写真の中に、自分の家だと分かる目印が入っているかを見ます。アンテナの位置、隣家との位置関係、屋根の色と形、ベランダや天窓。全景の写真がなく、寄りの写真だけを見せられた場合は判断できません。データを置いていってもらえるかも聞いてください。渡せないと言われたら、その写真を根拠に契約する必要はありません。


出典・集計の前提

  • 国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法(各種相談の件数や傾向)」(相談件数は2026年5月31日現在)。https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/reformtenken.html
  • 国民生活センター「屋根工事の点検商法のトラブルが増えています」(2023年10月11日公表)。https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20231011_1.html
  • 消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」(クーリング・オフ制度・法第9条)。https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/
  • 沖縄タイムス 2024年12月1日付「訪問営業で『屋根の修理が必要』→クーリングオフなし 沖縄県警、特商法違反疑いで男を逮捕」。
  • いずれも2026年9月18日に実ページを確認しました。
  • 当社の写真AI診断(aiamamori.com)で2026年1月28日〜6月10日に完了した65件(2026年9月7日の動作確認2件は除外)のうち、被害の場所が記録された56件を集計。「家の内側」は、場所の記録に天井・天井裏・室内の壁のいずれかが含まれ、所見に水染みなどの症状があるものです。個人が特定できる情報は含めていません。
  • 写真診断は症状に気づいた人が利用するため、症状が見える家に偏っています。室内に症状がない屋根の状態を示すデータではありません。
  • 法律の記述は一般的な説明です。個別の契約でクーリング・オフができるかどうかは、消費生活センターにご確認ください。

執筆: 株式会社ドローン工務店(大阪市・建設業許可 大阪府知事許可)

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