雨漏り

3回直しても雨漏りが止まらない家の共通点。写真診断65件のうち46件が「まず現地調査」だった理由

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著者:株式会社ドローン工務店

「もう3回直してもらったのに、台風のたびに同じ場所から漏れる」。雨漏りの相談で、いちばん疲れた声で語られるのがこの話です。工事のたびにお金は出ていくのに、止まらない。業者が悪いのか、家が悪いのか、自分の頼み方が悪いのか分からなくなります。

先に結論を書きます。止まらない雨漏りのほとんどは、水の入口を特定する前に、怪しい場所を塞ぐ工事をしている家です。当社の写真AI診断65件のうち、推奨プランが記録された56件を見ると、46件は「現地調査」を含む判定で、いきなり「本格修繕」から入る判定は7件でした。まず入口を見つける、それから直す。順番が逆になると、工事の回数だけが増えます。

なぜ直しても止まらないのですか?

結論: 雨漏りの入口と、室内に出てくる出口が離れているからです。出口の近くを塞いでも、入口が別の場所にあれば水は同じ経路をたどって出てきます。

Yahoo!知恵袋に2024年6月18日に投稿された相談は、こういう内容でした。年に2〜3回、台風や風の強い日にだけベランダの上部から雨漏りする。普通の雨では漏れない。3回修理を頼んだが、漏れる場所が特定できず直らない。ブルーシートも効かなかった。新築のときから続いている。2件の回答のうちベストアンサーは、「うちも同じ経験をした。雨漏り専門の業者に散水調査をしてもらったら、南側の壁と屋根の間のピンホール(針の穴ほどの隙間)が原因だった」というものでした。もう1件も「新築からなら施工不良の可能性が高い、別の業者に相談を」という趣旨です。

この相談の要点は、3回の修理で「漏れる場所が特定できず」と書かれていることです。特定できていないまま3回工事をしている。どこを直したのかは書かれていませんが、出口の近く、つまりベランダまわりを塞いだのだと推測できます。入口が壁と屋根の取り合いにある針の穴だとしたら、ベランダを何度防水しても水は同じ経路で出てきます。

もう1件、2025年1月25日の相談は、30万円で屋根を修理してもらった直後の話です。修理後も同じ場所から雨音がする。大雨の翌日にも水が垂れてくる。修理前に家族が「何百万も払えない」と値切ったので、それが悪かったのかと問うています。5件の回答は「契約した金額の範囲で保証対応を求めるべき」「関西や中国地方に多い土葺きの瓦屋根なら、前回の部分修理で根本が直っていない可能性がある」「原因の特定が最重要で、部分修理では直らないことがある」という内容でした。

値切ったから直らなかった、ではありません。30万円でどこを直したのかが問題です。「翌日にも垂れてくる」のは、屋根の下地や野地板に水が溜まって、時間差で出てきている典型的な症状です。表面の瓦を直しても、下に溜まる経路が残っていれば同じことが起きます。

写真診断では、どんな推奨が出ていますか?

結論: 65件のうち推奨プランが記録された56件で、「現地調査」を含む判定が46件、「本格修繕」から入る判定が7件、応急処置が先という判定が2件、該当なしが1件でした。写真で症状が見えていても、AIの判定は8割が「まず現地で入口を特定する」です。

当社の写真AI診断は、送られた写真から被害の場所、危険度、概算費用、保険適用の可能性、推奨プランを出します。2026年1月28日から6月10日に完了した65件(2026年9月7日に同じ画像で行った動作確認2件は除外)の推奨プランを数えると、次のようになりました。

推奨プラン 件数
現地調査 42件
現地調査と本格修繕(軒天交換・下地補修など具体的な工事を併記) 4件
本格修繕 7件
応急処置(うち1件は至急の応急処置と本格修繕) 2件
該当なし(雨漏りの痕跡が写真にない) 1件
記録なし 9件

危険度は10段階で平均7.8、8以上が45件と高い写真が多いにもかかわらず、判定は「現地調査」に寄っています。これは、写真で見えているのが出口だからです。天井のしみ、軒天の剥がれ、屋根裏の濡れ跡。いずれも水が「出てきた場所」で、「入った場所」ではありません。写真から入口を断定できないので、AIは工事の前に現地で特定することを推奨します。

もうひとつ、所見の文章を見ると、65件のうち22件に「長期間」「継続」「進行」のいずれかの言葉が入っていました。「長期間の雨樋からの漏れ・オーバーフロー」「継続的な漏水」「漏水が進行し下地劣化の疑い」といった書き方です。3分の1は、相談に来た時点で、しばらく前から水が入り続けている家です。時間が経った雨漏りほど、水の通り道が複雑になり、入口と出口が離れます。

止まらない家の共通点は何ですか?

結論: 4つあります。特定の雨のときだけ出る、入口と出口が離れている、応急処置が長期化している、前回の工事の記録がない。この4つが重なる家ほど、修理の回数が増えます。

  1. 特定の条件の雨のときだけ出る。 知恵袋の1件目がまさにこれで、台風や強風のときだけ漏れます。風向きによって壁面に当たる雨の量が変わり、普段は入らない隙間から水が押し込まれます。散水調査で再現するには、どの向きからどのくらいの水をかけるかを、漏れた日の条件に合わせる必要があります。「普通の雨では漏れない」は、業者に必ず伝えるべき情報です。
  2. 入口と出口が離れている。 壁と屋根の取り合い、ベランダの笠木の下、窓の上の庇の裏。こういう場所から入った水は、防水シートの裏や柱に沿って移動して、離れた場所の天井に出ます。出口の真上だけを見て直すと外れます。
  3. 応急処置が長期化している。 当社の写真診断にも、天井が崩落した室内にブルーシートで水を受けている状態で相談が来た家が1件ありました。ブルーシートやコーキングは、その場しのぎとしては正しい手段です。ただ、コーキングで水の出口を塞ぐと、水は別の出口を探します。応急処置のまま季節をまたぐと、経路が増えて特定が難しくなります。
  4. 前回の工事の記録がない。 「屋根を直した」「防水をやり直した」と聞いても、どこを、何で、どの範囲まで直したかが書面で残っていないことが多いです。記録がないと、次の業者は同じ場所をまた疑うところから始めます。知恵袋の2件目で「30万円でどこを直したか」が分からないのは、この状態です。

3回目の工事の前に、何をすればいいですか?

結論: 工事を頼む前に、記録を集めてください。漏れた日の天気と風向き、出た時間、写真、前回の工事の内容。この4つがそろえば、業者は入口を絞り込めます。そろっていなければ、まず入口を特定する調査を工事と分けて頼んでください。

順番はこうです。

  1. 漏れた日を書き留める。 日付、雨の強さ、風の向き、漏れ始めた時間、止まった時間。気象庁の過去の天気を後から見れば風向きは分かるので、日付と時間だけでも残してください。
  2. 出口を写真で残す。 しみの輪郭は乾くと薄くなります。漏れている最中と、翌日の乾いた状態を同じ角度で撮っておくと、水量と経路の手がかりになります。
  3. 前回の工事内容を書面で出してもらう。 見積書と請求書、工事写真があれば、それを次の業者に渡します。なければ「どこを、何で直したか」を前の業者に聞いて、メールで残してください。
  4. 調査と工事を分けて頼む。 「直してほしい」と頼むと、業者は怪しい所を直す提案をします。「入口を特定してほしい」と頼めば、散水や赤外線で経路を追う調査になります。原因が特定できてから見積を取ると、工事の範囲が決まるので、金額の比較もできます。

当社は足場を組まずに、ドローンとロープアクセスで屋根と外壁の高所を確認する現地点検を行っています(点検の内容料金)。点検費用は税込55,000円で、そのまま工事を依頼される場合は工事代金から差し引きます。雨漏り修理の費用の目安は、見積チェックAIの雨漏り修理の相場ページにまとめています。屋根とドローンを使った点検の実例はドローン工務店のサイトにも載せています。

よくある質問

Q. 3回目も同じ業者に頼むべきですか?

前回の工事に保証が付いているなら、まずその業者に「同じ場所から漏れている」と伝えて、保証の範囲で対応を求めるのが先です。知恵袋の2件目でも「契約した金額の範囲で保証対応を」という回答が付いていました。そのうえで、業者が「原因は分からないがもう一度直す」と言うなら、調査だけ別の業者に頼む選択があります。調査の結果を持って前の業者に戻ることもできます。

Q. 散水調査は必ず必要ですか?

必ずではありません。写真と現地の目視で入口がはっきり分かる家もあります。ただ、「特定の雨のときだけ」「3回直しても止まらない」という条件が重なる家は、目視では見つからない隙間が入口であることが多く、水をかけて再現する調査が近道になります。知恵袋の1件目で最終的に見つかったのも、針の穴ほどの隙間でした。

Q. 新築のときから漏れています。誰に言えばいいですか?

新築住宅の雨漏りは、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について、引き渡しから10年間は売主や施工者に瑕疵担保責任があるとされています(住宅の品質確保の促進等に関する法律)。まず売主か施工した会社に書面で伝えてください。10年を過ぎている場合や、対応してもらえない場合は、住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)に相談する窓口があります。当社の点検は、その相談に持っていく記録を作る目的でも使えます。


出典・集計の前提

  • Yahoo!知恵袋 2024年6月18日投稿の相談(年に2〜3回、台風・強風時のみベランダ上部から雨漏り、3回修理しても特定できず、新築時から。回答2件)および2025年1月25日投稿の相談(30万円で屋根修理後も同じ場所から雨音、大雨の翌日にも垂れる。回答5件)。2026年9月16日に実ページを確認し、要旨のみ引用。
  • 当社の写真AI診断(aiamamori.com)で2026年1月28日〜6月10日に完了した65件(2026年9月7日の動作確認2件は除外)の推奨プラン・危険度・所見の文章を集計。個人が特定できる情報は含めていません。
  • 判定は写真からのAI推定であり、現地調査の結果ではありません。
  • 住宅の品質確保の促進等に関する法律(瑕疵担保責任の10年)は法律の一般的な説明であり、個別の契約への適用は契約書と専門家の確認が必要です。

執筆: 株式会社ドローン工務店(大阪市・建設業許可 大阪府知事許可)

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大阪・関西で現地点検を承ります。点検だけのご依頼も歓迎です。即決は求めません。