写真診断65件でいちばん多かった雨漏りの出どころは「天井・屋根裏・軒天」
雨漏りの相談で最初に聞かれるのは「どこから漏れているんですか」です。写真だけで断定はできませんが、傾向は出ます。当社の写真AI診断で2026年1月28日から6月10日までに完了した65件について、写真から推定された被害箇所を集計しました。
先に結論を書くと、室内の天井にしみが出ている家では、屋根裏と軒天(軒の裏側)を一緒に見ると、入口が見つかることが多い、という数字です。
65件で多かった被害箇所はどこですか?
結論: 室内の天井が40件、屋根裏・天井裏が26件、軒天が26件、屋根の表面が23件でした。
被害箇所が記録されていた56件(65件のうち9件は箇所の記録なし)を、場所の種類ごとに数えた結果です。1件に複数の場所が含まれるので、合計は56を超えます。
| 写真から推定された被害箇所 | 件数(56件中・重複あり) |
|---|---|
| 室内の天井 | 40 |
| 屋根裏・天井裏・小屋裏 | 26 |
| 軒天(軒裏) | 26 |
| 屋根の表面 | 23 |
| 梁・木部・下地 | 11 |
| 外壁 | 10 |
| 室内の壁 | 8 |
| 床 | 5 |
| 配管・貫通部まわり | 4 |
| 雨樋まわり | 3 |
| 窓・サッシまわり | 2 |
組み合わせで見ると、いちばん多かったのは「天井、屋根裏、軒天」の3点セットで11件。次が「天井、屋根、外壁」の5件、「天井裏、軒天、屋根下地」の3件でした。
この数字は写真AIが推定した箇所で、現地で確認した結果ではありません。相談者が撮った写真は室内の天井が圧倒的に多いので、天井の件数が多いのは「そこを撮ったから」でもあります。その前提で読んでください。
なぜ天井と軒天が一緒に出るのですか?
結論: 屋根の端から入った水が、軒裏で一度出て、残りが屋根裏を伝って天井に届くからです。
軒天は屋根の先端の裏側で、外から見上げれば見える場所です。ここにしみや剥がれがあると、屋根の端(軒先やケラバ)の板金や防水紙のあたりから水が入っている可能性が高くなります。入った水の一部は軒裏に出て、残りは垂木や野地板を伝って屋根裏に入り、断熱材を濡らしてから天井のボードに出てきます。
だから、天井のしみを見て「天井の真上の屋根が悪い」と決めるのは早い、というのが現地点検での実感です。しみの真上ではなく、そこから屋根の勾配を上に辿った先の端部に原因があることがよくあります。
集計で「屋根裏・天井裏」と「軒天」がどちらも26件で並んだのは、この経路の反映だと当社は見ています。
屋根の表面が原因とは限らないのですか?
結論: 屋根の表面が推定に入ったのは23件で、天井の40件より少ない。屋根材そのものより、端部や取り合いが入口になっている件が多いということです。
「屋根の表面」に含めたのは、スレートや瓦の割れ・ずれ、屋根面全体の劣化が写真から読めた件です。これが23件。一方で「配管・貫通部まわり」4件、「窓・サッシまわり」2件、「雨樋まわり」3件は、屋根材ではなく、何かが屋根や壁を貫いている場所や、水が集まる場所です。
数は少なくても、こうした取り合い部は屋根の葺き替えをしても直りません。天井のしみだけ見て「屋根が古いから葺き替え」と提案された場合は、入口がどこか確認してから判断してください。当社の点検は、この入口の特定を先にやります。
築年数で違いはありますか?
結論: 築年数の記録があるのは21件だけで、うち13件が「30年以上」でした。傾向を語るには足りません。
65件のうち44件は築年数が未入力でした。記録があった21件の内訳は、30年以上が13件、20〜30年が4件、5年未満が1件、その他3件です。30年以上が多いのは事実ですが、母数が小さいので「古い家ほど軒天から漏れる」のような結論は出していません。
参考として、65件の危険度スコアの平均は10点満点で7.8、概算費用の中央値は15万〜45万円でした。写真での概算なので幅があります。費用の目安は雨漏り修理の費用相場(見積もりチェックAI)にまとめています。
自分の家で先に見る場所はどこですか?
結論: 天井のしみの真上ではなく、外に出て軒天を見上げてください。
- しみのある部屋の外側に出て、軒の裏側(軒天)に変色・剥がれ・穴がないか見る
- その真上の屋根の端(軒先・ケラバ・棟の端)に板金の浮きがないか、地上から見る
- 2階の押し入れやクローゼットの天井付近を触って、湿りやカビ臭がないか確かめる
- 写真を撮って日付を残す。次の雨のあとに同じ場所を撮る
ここまでは足場も道具も要りません。軒天に異常があれば、入口は屋根の端部にある可能性が高く、当社の現地点検では足場を組まずにその周辺から調べます。屋根に上がる必要がある場合はドローンと赤外線で先に当たりをつけます(料金)。
よくある質問
Q. 写真だけで雨漏りの原因は分かりますか? A. 分かりません。写真診断は「どのあたりが怪しいか」の当たりをつけるもので、原因の特定は現地で行います。上の集計も、写真から推定された被害箇所の傾向です。
Q. 軒天にしみがあるだけで、室内には何も出ていません。放置していいですか? A. 室内に出ていなくても、軒裏に出ているなら屋根の端から水が入っています。屋根裏の木部が濡れ続けると腐りが進むので、次の雨のあとに軒天の写真を撮り比べて、広がっていれば点検を検討してください。
Q. 天井のしみの真上の屋根を直せば止まりますか? A. 止まらないことがあります。水は屋根の勾配に沿って移動するので、しみの真上より高い位置に入口があることが多いです。当社は入口の特定を先に行い、そのうえで修理範囲を決めます。
出典: 当社写真AI診断の記録(2026年1月28日〜6月10日・完了65件・被害箇所の記録あり56件・個人情報は含まない集計)
関連: 雨漏り修理の費用相場(見積もりチェックAI)/株式会社ドローン工務店
執筆: 株式会社ドローン工務店(大阪市旭区・建設業許可 大阪府知事許可)